2007年5月29日火曜日

メドゥサ鏡をごらん   井上夢人

これ、もうちょっと前に読んでいたけど、更新忘れてました。

ある作家が、不可解な言葉を残して自殺した。
その娘と恋人が、その作家の最後の原稿を探して、彼を襲った最後の事件と原稿を追い求める


作家に何があったのか、それを追い求めるミステリーではありますが、話を読み薦めるうちに、ものすごく怖くなってきます。

ミステリーを読んでいるのに、いつの間にかホラーを読んでる気になる。
そのくらい怖いです。


話の中で、人も死ぬし、子どものいじめの話も出てくる。
現実的な話ではないけれど、でも追い詰められたときの人の憔悴感、哀しみ、その他もろもろの心理が克明に感じられます。
いつものことながら、次第に話の中にのめりこんでいってしまいます。

オススメです。

2007年5月28日月曜日

オルファクトグラム   井上夢人

最近井上夢人の作品にはまり込んでます。
作品というか、ストーリーの生み出す世界観にというか・・・

ある事件をきっかけに人とは変わった嗅覚を持った彼が、それを使ってその犯人を追うという話。

SFであり、ミステリーであり、恋愛小説である。
解説にもあったが、私もこれは恋愛が大きなウェイトを閉めていると思う。

謎解きも面白いし、変わった嗅覚の話も奇抜。正直、それだけでも十分読む価値があるが、恋愛小説としての一面が、この作品をググっと深くしている。

もし、この作品のあらすじをもっと詳しく言うと、それはかなり定番の展開を少なからず含んでいる。でも、それでも、少なくとも恋愛小説としての要素が、その安っぽさを完全に打ち消して、むしろ新鮮な物語と消化させているように思う。


後で知ったことだけど、これはWOWOWやラジオでドラマ化されているらしい。特にWOWOWのドラマは私も見てみたい。
が、DVDなどは発売されたのかな?

情報があれば、教えてください。

2007年5月22日火曜日

99%の誘拐   岡嶋二人

まぁ、ミステリーですね。

晩年の彼ら、あるいは、後の井上夢人が好んで扱ったコンピュータを駆使した事件です。


半導体メーカーの社長の息子が誘拐され、身代金を金の延べ棒で支払わせる。

カメラメーカーの社長の孫が誘拐され、身代金をダイヤモンドで支払わせる。


誘拐の仕方、トリックもさながら、犯人にたどり着くまでのストーリー・伏線も、すばらしい、一級品です。

時間があれば、本当に一気に読み通してみたくなってしまう、夢中になれる本ですよ。

いや、井上夢人氏の作品はいつもそうですが

2007年5月13日日曜日

少女七竃と七人の可哀想な大人   桜庭一樹

しばらく前に新聞の書評欄にも載っていた本です。

男なんて滅びてしまえ

かなり刺激的な帯の文句に女子高生に人気だとか


簡単に言えば、北海道のある町で、ものすごい美少女に育った女の子の大学入学までの生い立ちなわけですが、母親、飼い犬、祖父、幼馴染、それぞれの視点から描かれている姿は、小さな社会の中で起こるドラマをより陰鬱に感じさせています。

この雰囲気が持ち味。

最後の場面では、いつの頃からか抱いていた彼女の恋に決着がつきますが、その切ない後味は、泣きたくなるくらいです。

こうして大人になっていく、というと、一気にさめてしまうかもしれませんが、恋も含めて学生時代の経験は、幼い、あるいは未成熟だからこそもろかったり儚かったりする。

それが、後々ものすごくいい思い出となって残る。

かく言う私も・・・(笑)

まだ学生の癖に、まだ振り返るのは早すぎますかね(爆)
大体、たいした恋もまだしていないのに(泣)


その思い出が、また人生を深くする。


彼女は、きっと強くなりますね