2008年8月21日木曜日

ラブコメ今昔   有川浩

図書館戦争以来、というか、それよりも前からか
有川浩が、自衛隊とか軍モノを扱うようになったのは

正直、図書館戦争を読んでインパクトを受けてしまった私は、「自衛隊」と聞いても正直緊迫感はあまり感じられないのですけど、ほんとの自衛隊員とその家族は、「有事」に備え、覚悟を決めていることが、伝わってきました。
この本はタイトルのとおり、恋愛小説で、ここは実はわき道かもしれませんが、逆にそれが本筋のストーリーを強めてくれます。

「自衛隊員」に対する偏見というか、先入観みたいなの、誰しもあると思います。
自衛隊員といえば、軍隊らしくきびきびしてる、とか、怖い、とか、わらわない(笑)とか?

実際はもちろん、人間らしく、砕けたところもあるだろうし、人間味あふれた集団なのでしょうが


こういう話は、たいていそういうイメージと現実(あるいは物語)のギャップを使って話を作るところが多い(のではないか)と思うんですが、

この本では、自衛隊という特殊な世界は前提としてあるものの、書かれているのは割と普通の(?)人間模様です。
そして、その特殊な世界に身をおいているからこそ,描かれる恋愛や考えが映える


隊員同士の結婚はいいが,子を持つなら自衛隊の共働きはやめたほうがいい


この発言の真意に、ドキッとしました。

自衛隊員でなければ、そうでなくとも、危険な思いをして生きていなければそもそも考えない発想が、ここにありました。


詳しくは本書を読んでもらうこととして、



やっぱ有川浩いいわー

2008年8月5日火曜日

異文化の語り方 あるいは猫好きのための人類学入門   中川敏

大学のときに結構好きだった先生の著書。

授業の仕方(特にしゃべり方)と授業内容が面白くて、とっても良かった。
2冊セットになっているうちの片割れです。


文化人類学ってどんな学問?


こんな疑問に立ち向かっている本です。
あ、この中川先生、文化人類学専門の教授です・・・タイトルからわかるか。


うん。やっぱり面白い
大学で文化人類学をやらなかったのを後悔しそうなくらい、面白い。

文化が違えば言葉が違う、言葉が違うから分かり合うのがものすごく難しい。
何で難しいかっていうと、

言葉がわからないからではなくて、

言葉の背景にあるシステムが違うから。



言葉を使うって、思っている以上に使い方に制約がある。
文法や存在する単語そのものにもよるし、その言語圏の文化や社会制度にもよる。


インドネシアのエンデでは、もののやり取り(売る・買う、交換する、与える、共有する・・・)が、血縁関係になるという不思議な感じの制度も出てきます。

が、文化人類学は科学の科学、というスタンス、これがいい。
これが面白い。



異文化理解は、その文化について説明すること

こう聞くと、なんかたいしたことには思えないけど、異文化を自分の言葉で語ったときに、それはもとのものとはまったく違ったものの語りになってしまっている。それをどうやって人に伝えようか、ということです。

身近なことでいえば、例えば自分がものすごく感動した経験について人にしゃべろうとしたけど、なかなかうまく伝えられない。
そんな感じ


そんな、自分がしゃべってしまうとぜんぜん違うものになってしまうようなものについて語ること

これを述べている本です。


簡単に言えば、それぞれ独自のしゃべり方のルールや切り口があるから、そういう完全な説明(≒翻訳)は出来ないんじゃない?ていう疑問です。

そこから始まって、いつの間にか人は人と普段どのように話しているか、そういう分析までしています。



ある意味しゃべり方入門です。



ゆっくりと丁寧に、わかりやすく噛み砕いて説明してくれるこの本の語りは、本当に好感が持てます。
文化人類学なんて、と思っている人もぜひ読んでみてください。


文化人類学、なんて大仰に考えず、個人的な経験など、うまく伝えられないことをどうやったらうまく伝えられるか、あるいは、うまく伝わらない時のもどかしさを軽減させる方法を、この本では得られるでしょう。

2008年7月13日日曜日

本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである!   成毛眞

友達(でなきゃ同僚)に紹介されて読みだした本。

タイトル的にはすごく興味深かったんだけど、読んでみて、この著者には賛同できないなー、と感じた本。



いや、本をいっぱい同時に読め、というのはいいの。その良い点には私も賛同する。

ただ、話すこと話すこと、ほとんど全部著者の自慢話か見下し目線の断罪になってるのよね。説教臭いというか、、終始上から目線だから読んでるとだんだん腹が立ってくる。

決めつけるのが好きな人もいるだろうし、


大体、飲み屋で愚痴をこぼしたり自慢話に明け暮れるくらいならさっさと帰って本を読めなんて言ってる割に、この本は自慢話ばっかだし。

そんな本読ませるなって。
自慢話を本にして人に読ませるくらいなら、友達でも誘ってのみに行けっ!
と言いたくなる。





ただ、本を読め、それもいっぱい読め、という本書の主張には賛成。
私はあまり本は読んでないが、本を読むことの利点は重視してるつもりです。
しかも、いろんな本を並列で読むのも賛成。
記憶力というか、それまで読んでいた部分を(なるべく早く)思い出して中身に入り込むことの繰り返しは、絶対頭にもいいし。

まぁ、この本の主張は、そんなとこだから、正直最後まで読むことはないかも。
というか、1章だけでもいいかも。重要な主張はそこまででほぼ全部出てるから。

2008年7月5日土曜日

ラジオは脳にきく―頭脳を鍛える生活習慣術   板倉徹

考えてみたらもう2年前になるかな
バイトの夜勤帰りに近くの書店によって、そこで買った本。
すでにテレビ漬けになっていた私の生活習慣をただすという決意も込めて買った本。

だけど、読んだのは今週くらい。
すでにテレビは処分してしまっているので、テレビ漬けという状況はない。
だから、この本を読む動機の大きな部分は解消されているわけですが、



とにかく読みました。



ふむ。

脳の活性化は大切ですね(笑)

よくよく思い出してみれば、音読が脳の全体を活性化するだとか、体を動かすことが脳にとってもいい刺激になるとか、以前にきいたことのあることも多くある。
だいたい今の時代、脳を扱った本なんて山のように出てる。この本もその一つか、と思うのはいいが、本を閉じるのはちょっとはやい。


タイトルの通り、ラジオは脳にきくんです。
テレビじゃだめなんです。

ラジオとか、読書とか、ある種「不完全な」情報から、足りない部分を想像することに脳にとって大きな意味のある行為だと。
そして、特にそうした行為によって、前頭前野と呼ばれる部分が活性化するそうです。
この前頭前野、やる気の脳ともいわれ、サルとか他の動物にはほとんど無い部分だそうです。
つまり、人間が人間らしくあるのに最も重要なところ。
ついでに、集中力も使うから、ボケ防止にもいいとか。

これがテレビばかり見てると衰えちゃうよ、と。


ということで、最近ラジオをよく聞いてます。
ボケを考えるのはちょっと早いですが、いわゆる脳トレの一環として、たしなんでいきたいです。


そういえば、私のお気に入り、奥村初音を知ったのもラジオだったなぁ
意外な掘り出し物に出くわすこともあるかもね。

2008年6月14日土曜日

天国の本屋―うつしいろのゆめ   松久 淳, 田中 渉

去年あたり映画化されたのは天国の本屋シリーズの3作目。
これは第2作になります。

天寿という言葉、実はみんな一律に100歳と決められているそうです。
ところが、これがみんなが100歳になってから死ぬとなると、天国には100歳のお爺ちゃん/お婆ちゃんばかりになっちゃう。
だから、若いうちに天に召される人がいる。そして、地上世界の寿命と合わせて100年生きると、生まれ変わってまた地上での生命を生きる


面白い話ですよね。
天国が高齢者だらけになるから早死にする人がいる


でも、たまに生きているうちに天国に行く人がいる。

そんな話がこのシリーズのネタになってます。


今回天国に行くのは、結婚詐欺師です。
まぁ、詐欺師としての才能はあまりないみたいですが、プライドはものすごく高い女詐欺師。
30歳目前で、かなり・・・いや、やめとこ

彼女が天国で任された任務は、ある公共施設建設のため、予定地に居座る老人に立ち退いてもらうこと。そのためにホームヘルパーとして派遣されます。

報酬は、10億円以上するという、施設建設費用の1%。
当初はその報酬のために頑張っていたけど、この手のストーリーのお約束として、心変わりしちゃいます。早い話が、この老人の暮らしに感情移入しちゃうと。

お決まりといえばもう一つ、朗読があります
この話、途中である絵本の一説が挿入されます。
なんとも悲しいお話ではありますが、とってもいい伏線になります。

もう一つ、詐欺師の父親とこの老人の家族、実は過去に悲しいかかわりがあったことが明らかになります。詐欺師の幼いころの思い出として語られるこの部分は、非常にもの悲しくて、ちょっと涙を誘います。




お約束とは書きましたが、いろんな要素が絡み合って、必ずしも予想通りのストーリーや結末にはなっていません。なので、というか、本とはそういうものでしょうが、試しに読んでみて、自分で感想を感じてみてください

三毛猫ホームズの愛の花束   赤川次郎

こちらも短編集

ちょっと街中に馬が出てきたり、破天荒な設定はありますが、相変わらず楽しめます。
推理小説だからか、この小説が面白いのか、一度読み始めると、最後まで読みたくなってしまいます。
自分で納得のいく結論にたどり着く前に、答えが気になって、ついつい最後の種明かしを読んでしまう。悪くはないけど、ちょっと損な読み方ですな。

2008年6月9日月曜日

三毛猫ホームズのクリスマス   赤川次郎

またしても三毛猫ホームズです。


これは前にも読んだことがあります。
でも、もう完全に中身を忘れているので、もう一回読んでみました。

案の定、全く覚えていませんでした。
1冊で2度おいしい・・・て、あんまり喜べないな…


この本自体は短編集で、5作位が入ってます。
いつも、割と手の込んだ設定になっていて、複雑な人間関係が出てきたりするんですが、この本は短編ということもあって、そこまで込み入ったことは、まぁありません。
その分トリックとかに集中できるけど、いかんせん短編なので、あっという間に解決ししまいます。
一気に読んでしまうと、自分でトリックを解明しようとする前に種明かしされてしまいそうなくらい、スピード感にあふれています。


ということで、てっとり早く推理小説を読みたい方、こちらをどーぞ(笑)