2007年12月26日水曜日

光の帝国 常野物語   恩田陸

短編集です。

東北(そうだったっけ?)の方、柳田國男の遠野物語がヒントになっているようだけど(解説より)、常野と呼ばれる土地から来た、超能力のような特殊な能力を持つ一派の物語。

といっても、国を支配するとか、権力や力の争いとかではなく、普段の我々の日常生活の中の物語が語られていきます。

まぁ、さすがに特殊な能力のある人の話なので、我々凡人(?)の物語とはちょっと違いますが、穏やかな生活や、逆に悲惨な事件の語り口は帝国というタイトルを忘れさせてしまいます。

タイトルからしても、帝国の主は彼ら、常野の人たちなんですが、実際に帝国のように牛耳ってるのは普通の人間、牛耳られているのが常野の人です。


日本という国で、とても際立った能力を持つ人がいかにつめを隠して生活しなければならないか、その苦しみが伝わってきます。

現実世界で障害者など、個性の強い人を見るときの(日本)人の目はかなりきつくなります。
だから、障害者は縮こまって生きていかなきゃいけなくなっているし、苦しんでいる。


強い力を持っていること、恵まれた環境にあること。
それは、人からうらやましがられてしまうが、本人にとってはそのことが逆に苦痛になっていたりする。

人は傍からはわからないというが、恵まれているから苦しいこと、ということもあると思います。
そして、人はそういう点において、非常に無頓着です。

あなたのために・・・といいながら、おせっかいをし、それが疎まれると、あなたのためにしているのに・・・と逆恨みする。
そんな善意の押し売りがとてもうっとうしくなるときがあります。



なんか、まとまらない上に話がそれましたが、常野の人々は今、着々とどこかに集まろうとしています。新しい動きが起ころうとしています。
その種もまかれました。
中心人物の目覚めも間近です。

人間には、(超能力ではないにせよ)大きな可能性、力を持っています。今はまだ発揮できていないかもしれませんが、その力は大きい(はず)です。

以前は能力を活かし、1箇所で豊かな暮らしを営んでいた一派が散り散りになって細々と身を潜めながら暮らしていました。彼らが再び力を取り戻すのか、このまま衰えてしまうのか・・・

物語は、これから始まります。

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